惰性で送り続けても効果無し!ECメルマガ改善のポイント
ECサイトの会員向けにメルマガを定期配信しているという事業者も多くいるはずです。しかし、そのメルマガ、「商品情報やセール情報の一斉配信」だけになっていませんか?
定型文メルマガの定期配信だけでも(それなりの)売上に繋がるものの、大きな手応えは感じられず、惰性で配信を続けている方もいるのではないでしょうか。
実は、メルマガは改善ポイントを理解して施策に落とし込むことで「リピーター育成」や「カゴ落ち対策」などに活かすことができます。
この記事では、EC担当者が知っておくべきメルマガの改善ポイントについて解説していきます。
ECにおいてHTMLメールの配信は必須
ECメルマガを配信する際、HTMLメールで配信していますか?
カートシステム付帯のメール機能や、メーラーから商品リンクだけのテキストメールを送っているのであれば、HTMLメール配信に切り替えてみましょう。
HTMLメールにはどのようなメリットがあるのかをまとめてみました。
商品写真を掲載できる
ECサイトは、商品ページを始めサイト内で写真素材を使う機会が多くあります。なにより、商品写真の品質(実物と遜色ないかetc.)を重視している担当者もいるのではないでしょうか。
しかし、通常のテキストメルマガでは写真を掲載することはできません。商品ページへのリンクを記載するのが限界です。
HTMLメールであれば、メールの本文に写真や文字装飾などを施せるため、商品の魅力をより伝えやすくなるのです。また、デザインのレイアウトもカスタマイズできるため、セールやキャンペーンに合わせた訴求ができます。
もし、一般的なメーラーや、カートシステムに付帯するメール機能でテキストメルマガしか配信していないのであれば、HTMLメールの配信を強くおすすめします。
参考:HTMLメールの基本と見るべき指標とは【テンプレートあり】 | メールマーケティング アカデミー
効果測定に活用できる
HTMLメールには、デザインやレイアウト以外にもメリットがあります。既に、メールマーケティングアカデミーでも紹介してきましたが、リンクのクリックを測定できるというメリットです。
メール配信システムの種類によっては、標準でHTMLメールのクリックカウント機能が搭載されているものもあり、掲載したリンクのクリック数やCTRを測定できます。自社が配信しているメルマガの効果や、改善点を洗い出すためにもHTMLメールは有効なのです。
参考:正しい評価できてますか?メルマガの効果測定 | メールマーケティング アカデミー
リピーター育成etc. メルマガの目的を明確にする
既に配信しているメルマガの目的は明確ですか?
季節やイベントに応じて、新商品情報やセール情報などコンテンツ内容の作り分けをしている方もいるはず。しかし、そのメルマガを配信したによって達成したい目的は明確でしょうか?
例えば、下記のようなものです。
- 初回購入のユーザーに向けてリピーター育成を目的にする
- 休眠ユーザーの発掘を目的にする
- 注力商品の売上増加を目的にする
目的が不明確なままメルマガの配信を続けても、効果を高めることはできません。仮に売上が増加したとしても、それはユーザーのニーズや配信時期に偶然合っていただけで、再現性に欠けます。
目的を明確にすることで、コンテンツ内容だけでなく見るべき成果指標、配信手法までが明確になります。そのため、なぜこのメールが効果的だったのか、効果がなければ次の配信はどういった手法を取るべきかなど、改善に向けた具体的な施策に繋げられるのです。
参考:作ることが目的になってない?改めて見直したいメルマガ集客の基礎ルール | メールマーケティング アカデミー(配配メール × ferret ) https://rakus.ferret-plus.com/blog/00_08
効果検証と改善に向けたテストを実施する
現状のボトルネックを抽出する
メルマガの効果測定では、主に4つの指標に注目してみましょう。「到達率」「開封率」「クリック率」「コンバージョン率」です。
例えば、メールの開封率が低ければ、タイトル(件名)に引きがないと考えられます。つまり、ユーザーに関心を持ってもらえていないということです。このように、特定の指標からボトルネックが見つかります。他の3つの指標も、次のようにボトルネックを抽出できるので参考にしてみましょう。
到達率が低い
迷惑メールフィルタや無効なメールアドレスがリストに存在するため、リストのクリーニングやメール配信システムの再選定が必要。
クリック率が低い
メール本文に記載した商品リンクに魅力がない。または、ターゲットユーザーにとって関心を持てる訴求内容になっていないためリンクの文言をユーザーに合わせての改善が必要。
コンバージョン率が低い
商品への興味はあるものの購買するにあたってなんらかの障壁がある。商品ページやLPの改修、もしくはユーザーの相場観と価格の調整などの対応が必要。
改善に向けてテストする
上記の効果測定をもとにボトルネックが洗い出せたら、そこを改善するためにいくつかの方法を試してみましょう。
例えば、タイトルや画像などのA/Bテストを行い、開封率、クリック率が改善するかを検証したり、メールを配信する時間を朝昼夜で反応の良い時間帯をテストしたりします。特に、ECメルマガはビジネスマンがターゲットであれば、就業時間外の通勤や帰宅時、就寝前などの時間に反応するといった仮説を立てられます。その仮説に基づいてテストしましょう。
効果測定に加えて、テストを実施することでボトルネックとして抽出した課題が仮説として正しいのかが明らかにできます。そして、テストの結果、反応の良いものを施策に反映することが大切です。
参考:読まれるメルマガ配信時間とは?その時間、ユーザはなにしてる? | メルラボ
一斉配信以外のメール配信手法を導入する
上記で解説してきた「目的の明確化」と「効果検証とテストの実施」によって、メルマガの効果を改善できます。それに加えて、メルマガの一斉配信以外の手法を取り入れることで、さらに成果を高めることができます。
ECサイトで活用されることの多いメール配信手法が次の3つです。
ニーズ別に配信できる「セグメント配信」
「初回購入とリピート購入」「単身者向けと家族向け」など、同一の商品やテーマのメールでもターゲットユーザーの属性やニーズに合わせてリスト分類してメール配信できる手法です。ECの購買属性をもとにリストをセグメント(分割)してみましょう。
アフターフォローに活用できる「ステップメール」
特定の日から段階的に複数回のメールを配信するのがステップメールです。例えば、高額商品など取扱が繊細な商材を購入したユーザーに向けて、使い方の解説や保証などアフターフォローに適しています。リピーターの育成が一斉配信メールだけでは難しい場合に活用してみてください。
カゴ落ち対策に有効な「トリガーメール」
トリガーメールでは、ECサイトの買い物カゴに追加された商品が購入されなかった場合、その行動をトリガー(きっかけ)に「お忘れではないですか?」「こういった商品もございます」といったメールを送ることができます。カゴ落ち対策を目的としているのであれば活用をおすすめします。
参考:メール配信の種別と効果的な使い方 | メールマーケティング アカデミー
まとめ:ECのユーザーのインサイトから改善点を見つけよう
ECメルマガの改善にあたって知っておくべきポイントを解説してきました。効果測定で見るべき指標から、ECメルマガとして有効な配信手法など様々なテクニックがありますが、最も大切なのは、そこから垣間見えるユーザーの反応や行動の背景にあるインサイトです。
「○○時には開封されない傾向があるが、○○時に開封率が高まる」
「メールから購買(CV)するユーザーは全会員のうち○○割」
のような、効果測定から見える定量データの結果の背景には、「この時間にメールを開くとついついECサイトで商品をチェックしてしまう」「メールが沢山届くけれど、自分の欲しいものではないな」といった心理的な欲求や行動があります。
単に定型文のコンテンツを配信し続けるのではなく、自社のECサイトにユーザーが何を求めているのか、仮説を立てて施策に落とし込みましょう。