正しい評価できてますか?メルマガの効果測定
メールマガジン(以下、メルマガ)で成果を上げられていますか?
「成果は減ってはいないけれど、伸び悩んでいる」
「改善が必要とわかっているけれど、なにを見たら良いのかわからない」
そんな悩みを抱えているメルマガ担当者もいるかもしれません。
メルマガの改善には、件名や本文、リンク、HTML化など様々ありますが、まず行うべきは「効果測定」です。なぜなら、配信しているメールで成果がでない原因を特定することで、改善すべきポイントが明確になるからです。
これは、メルマガだけでなく、メールマーケティング全般に言えることです。
この記事では、メルマガの効果測定を行う上で大切な指標、そして、指標ごとの改善策について解説します。
メルマガの「効果測定」していますか?
次の施策を打つために効果測定は必須!
メルマガの成果指標には、売上や資料ダウンロード数、お問合せ数などがあります。
自社で配信したメールから「成果が出ているかどうか」をチェックしていても、「なぜ売上が減ったのか(増えたのか)」など要因まではわからないという方もいるのではないでしょうか?
成果指標は「そのメールのパフォーマンスの良し悪し」は測ることができても、「変化したときの原因究明」ができません。成果を更に上げたいと考えているのであれば、メールが届いたのか、開封されたのか、CTAはクリックされたのかのような効果測定を必ず行いましょう。
メルマガは「メールを配信してからコンバージョンするまでの間」を分析することで改善点が見えてくるのです。
効果測定にはHTMLメールを使う
メルマガの成果を上げるために効果測定は必須。では、具体的にどうやって行えば良いのでしょうか。
まず、効果測定の準備として必要になるのが「HTMLメール」を配信できる環境です。テキストメールでは「開封率」が測定できないためです。開封率の詳細については後述しますが、「配信したメールがユーザーに開かれた割合」を測定する重要な指標です。
すでに利用しているメール配信ツールがHTMLメールに対応していれば問題ありませんが、一般的なメーラーやテキストメールしか配信できないツールを使っている場合は、新たにツールを導入する必要があります。
また、HTMLメールを用いることでテキストリンクやボタンリンクが使用できます。アクセス解析ツールからパラメータを付与してURLが長くなってしまう場合でも、メール本文のレイアウトを崩さず効果測定ができるというメリットもあるのです。
参考:BtoBメルマガでHTMLメールはあり?なし? マーケターと読者の視点から考える| メルラボ
メルマガの効果測定でみるべき4つの指標
メルマガの効果測定では、チェックすべき指標が4つあります。この指標を押さえておくことで、後述する改善施策を実施しやすくなります。
1. 到達率
到達率とは、配信したメールがユーザーに届いた割合を表す指標です。
既に存在していないメールアドレスや受信拒否、1配信あたりの容量過多、迷惑メールフィルタによって除外されている場合など、メールが到達しないことがあります。その場合、到達率が低下します。
また、到達しないメールアドレス宛に送信し続けることで、メールサーバー側にスパムと判定されることもあるため注意が必要です。「配配メール」などメール配信ツールによっては、メールの配信エラーをユーザーごとに分析できるツールもあります。
2. 開封率
開封率とは、到達したメールがユーザーに開封された割合を表す指標です。
先にも解説しましたが、HTMLメールを利用して配信することで開封率を測定できるようになります。
開封率が下がるということは、ユーザーに「そもそもメルマガが読まれていない」ことになります。
1日に何通も配信してしまっていないか、ユーザーがメールをチェックする時間帯に届けられているか、ユーザーがクリックしたくなる件名になっているかなど、様々な改善点が見つかるかもしれません。
メールのデザインやコンテンツ、飛び先のリンクを見直すよりも前に確認すべき指標と言えるでしょう。
3. クリック率
クリック率とは、メルマガのコンテンツ内に記載したWebサイトのURLがクリックされたかどうかの割合を表す指標です。
メール配信ツールの分析機能でも測定できる他、Google Analyticsのようなアクセス解析ツールでパラメータを付与することでクリック率を測定することができます。
メール内に1つなど限られたリンクのみであれば、メール配信ツールの分析機能でクリック率を測定しても問題ありません。
ただし、ECサイトのメルマガのように商品ごとにURLを記載する場合、どのURLがクリックされたのかを判別するためにパラメータを付与することで効果測定がより詳細に行えるようになるでしょう。
4. コンバージョン率
コンバージョン率とは、購買やダウンロード、お問合わせなどコンバージョン(成果)が1セッションに対して発生した割合を表す指標です。
メルマガから成果が発生しているかを測る重要な指標なので必ずチェックしましょう。
メルマガを経由してコンバージョンが発生したかどうかを測定するためには、アクセス解析ツールであらかじめコンバージョンポイントの設定(Google Analyticsでは「目標」の設定)をしておくことで確認できます。
参考:HTMLメールの基礎知識とメールの効果を最大化するメールマーケティングの4つの重要指標|ferret [フェレット]
効果測定を改善にどう活かす?
到達率が低い場合
到達率が低い場合、まず行うべきは配信リストのクリーニングです。クリーニングとは、到達しないメールアドレスをリストから除外して到達するメールアドレスだけのリストにすることです。メール配信ツールの分析機能などを活用し、配信エラーが起きているメールアドレスを特定し、そのアドレスの配信を停止します。
もし、一般的なメーラー等を用いているのであれば、「MAILER-DAEMON」など配信エラーの自動返信通知を参考にメールアドレスを除外しましょう。
また、リストのクリーニングだけでなく、リストのセグメント(分類)も併せて実施することをおすすめします。登録メールアドレスを1つのリストで管理するのではなく、ユーザーの属性や好まれるカテゴリなど基準を作り分類してみてください。
セグメントは、後述する開封率低下の改善にも関連するため、リストのクリーニングと並行して進めましょう。
その他にも、メール配信ツール側でも到達率を上げる取り組みをしていることもあります。例えば、一斉配信の件数を自動調整し、受信側のメールサーバーに負荷を掛けないように調整しているツールがあります。一般的なメーラーよりも到達しやすくなるため、導入を検討してみてください。
開封率が低い場合
開封率が低いのは、「メールが到達しているのに開封されていない」ことが原因です。ユーザーにとって関心の低いテーマのメルマガや、そもそもメーラーを開かない時間帯に配信している場合に開封率が低下します。
そのため、改善策として下記の4点を見直してみましょう。
- メールの件名
- 配信時間
- 配信数
- 配信セグメント
メールの件名でユーザーの関心を引き付けられているのかどうか。キャッチーな文言を入れたり、端的にメリットが伝わる情報を盛り込んだり、自社のメルマガコンテンツが訴求したい内容に合わせて改善してみましょう。
配信時間は、配信リストのユーザー属性に合わせて検討します。ビジネスパーソンが中心のリストであれば、通勤時間帯や休憩時間、就寝前などメーラーを開くであろう時間帯に配信してみましょう。
配信数は、「メールの送りすぎ」に注意してみてください。セール期間やプロモーションに注力するあまり、1日に何件も同一のリストにメールを配信していませんか?
むやみやたらとメルマガを送付することで、ユーザーにネガティブな印象を与えかねません。受信拒否や迷惑メールのフィルタリングによって到達率にも影響するため、開封率を確認しつつ配信数を調整してみてください。
また、ユーザーごとに関心は異なります。特に複数の商品ジャンルを扱うネットショップであれば、ユーザーの性別や年齢、地域、嗜好などセグメントに合わせてメールを配信するのも開封率改善の手段です。
クリック率が低い場合
メルマガに記載したURLのクリック率が低い場合、メールのコンテンツ内容に問題点があるかもしれません。メルマガを作成する際、テンプレートをそのまま配信していないでしょうか?
例えば、定型文の「お知らせ」を配信しつづけてしまうことでクリック率の低下を招く可能性があります。
仮にテンプレートを用いる場合でもユーザーにとって有益な情報を届けられるよう、コンテンツを更新することが大切です。セグメントしたリストごとに、メルマガで訴求する軸を変えて作成してみましょう。HTMLメールであればレイアウトや配色、写真などデザインの改善も検討してみてください。
また、複数のURLを羅列して「リンク集」のようなコンテンツになっている場合も注意しましょう。「そのURLをクリックするメリットは何か」をコンテンツ内で提示するなど、ユーザーがクリックしやすい工夫をしてみてください。
コンバージョン率が低い場合
コンバージョン率が低下する場合、メルマガに記載したWebサイト(もしくは、ランディングページ)に原因があります。配信したメルマガと飛び先であるWebサイトの雰囲気が異なれば、ユーザーが違和感を感じる原因となります。
例えば、「◯◯%OFFのセールを開催中!」という切り口でメルマガを配信したにも関わらず、飛び先はWebサイトのトップページになっていた場合をイメージしてみてください。「セール情報」を訴求したいのに、メルマガからセール開催ページに遷移できなければ「求めていた情報と違う」と感じるはずです。
一方で、セール情報がまとまったランディングページに遷移できれば、そのまま「購入しよう」と考えるかもしれません。
上記のように、メルマガで訴求した内容と飛び先のWebサイトにギャップが発生していないかを必ず確認してみましょう。そして、Webサイトが獲得したいユーザーに向けたコンテンツにできているかどうか見直してみてください。
その他に確認すべきポイントとして挙げられるのが、コンバージョンまでの導線設計です。単にURLを記載するだけでなく、Webサイトで訴求したい情報の伏線をメルマガに盛り込みます。
そして、ユーザーが違和感を感じることなくコンバージョンできるよう、コンテンツ内容だけでなく、どの位置にURLを配置するのかといった視点も踏まえて設計しましょう。
まとめ:自社の目的に合わせて効果的なメールマーケティングを
メルマガの成果が伸び悩んでいる、もしくは、すでに改善の必要性を感じているのであれば、効果測定を行って改善点を洗い出してみましょう。
この記事で紹介した4つの指標で効果測定することで、重点的に改善すべき点がわかるようになります。
「なんとなく」でメルマガのパフォーマンスを評価し、感覚で施策を実施しても、伸び悩む原因がわからなければ大幅な改善は見込めません。メール配信ツールの分析機能やアクセス解析ツールを活用し、自社が取り組むべき目的に向けて改善することが大切です。