ECメルマガなら外せない!画像・イラストをフル活用したメールの事例
好きな時間に好きな場所で買い物が出来るネットショッピングは、いまや生活に欠かせない存在になっています。
経済産業省によるデータでも、国内のEC化率(商取引に占めるEC取引の割合)は年々増加しており、ますますネットショッピングの利用機会が増加していることが伺えます。
EC化率が増加していくことで、ECサイト間の競争も激化するのは必然と言えます。
ECサイトは新規の顧客を獲得する以上に、一度でも購入経験のある顧客にリピーターになってもらうことが重要です。
購入経験のある顧客と接点を持ち続けるために、多くのECサイトではメルマガを使用しています。そこで、より効果的なメルマガにするにはどうしたらよいのか悩んでいる方もいるのではないでしょうか。
今回は海外のECサイトのメルマガの色々な事例を取り上げますので、ぜひ他店との差をつけるメルマガ作りの参考にしてみてください。
EC系のメルマガはHTMLメールで出すべし
まず、ECサイトがメルマガを配信するにあたり、特別な事情が無い限りはHTMLメールで出すべきです。
ひと昔前は、HTMLメールを受信することのできないフィーチャーフォン(ガラケー)を利用しているユーザーが一定数いたため、なかなかHTMLメールに舵を切れないというお店もあったかもしれません。2018年現在、フィーチャーフォンはすでに販売が終了しており、利用者数も減少の一途をたどっています。
現在発売されているのは、OSにAndroidを使用した「ガラケー型のスマートフォン」であり、HTMLメールの表示が可能となっています。
HTMLメールでメルマガを配信する最大のメリットは、その表現力です。
商品の特徴を文字(テキスト)だけで伝えるのは非常に困難ですが、写真や画像ならば簡単に伝えることが出来ます。
HTMLメールを作るにあたっての専門的な知識を持ち合わせておらず、導入を躊躇しているケースもあるかもしれません。実は、最近では専門知識が不要のHTMLエディタも数多くあるので利用を検討しましょう。
それでは早速、HTMLメールの事例を見ていきましょう。
事例1)初回配信時にクーポンをつける
メルマガ会員に登録したタイミングで配信される初回のメルマガは非常に重要です。
初回のメルマガが配信されるタイミングは、「購入はしなかったけれども興味があるのでメルマガに登録した」もしくは「初回購入のタイミングで自動的にメルマガ登録された」のどちらかでしょう。
このどちらにせよ、読者がお店に対する興味度は非常に高い状態と考えられます。
イギリスのアパレルショップ「Boden」はでは、メルマガ登録の初回に配信されるメールには次回ショッピングで使用できる15%オフのクーポン券を付与しています。
クーポンを配布することによって、読者の価格に対する購入のハードルを下げられます。
事例2)ウェブへの誘導に徹する
メルマガはそれ単体では売り上げを上げることはできず、ショッピングカート機能のあるECサイトに遷移して初めて売り上げを上げることが出来ます。
この場合、メルマガの役割は「読者の欲求を刺激すること」と「ECサイトへスムーズに誘導すること」の2つです。
オランダのアパレルブランド「SCOTCH&SODA」のメルマガは、この2つの役割を十分に理解した作りになっています。
メルマガの背景が白地なのも、文字がほとんどないのも、すべては主役である商品を際立たせるための演出です。
商品画像下にある「SHOP NOW」というボタンをクリックすることで、その商品の詳細な説明ページへと移動し、購入出来ます。
メルマガはWebページへ誘導するための手段であることを見事に体現したメルマガです。
事例3)折込みチラシの延長と考える
“Every day low prices” で有名な「Walmart」のメルマガは、まるで新聞に折り込まれるチラシのような作りになっています。
メルマガは、その週のお買い得商品の写真と商品名、価格のみで構成されています。
当然、商品写真をクリックするとその商品の購入ページへと遷移しますので、欲しいと思った商品をすぐに購入出来ます。
非常にシンプルな作りながら、読み手に強く訴求することの出来るメルマガの見本と言ってもいいでしょう。
事例4)動画を使う
HTMLメールならば、メールの本文内にアニメーションや動画を埋め込むことが出来ます。
アメリカ発のアパレルブランド「J.Crew」のメルマガにはGIFアニメーションが使用されています。
アニメーションにより動きのあるメルマガは目を引くのに十分なインパクトを持っています。
スウェーデンのアパレルブランド「Monki」も同じくメルマガ内でGIFアニメーションを使用しています。
あるメルマガでは、GIFを使用してスニーカーを全方向から見せる表現の方法を採っています。これにより、読者に細部までデザインを伝えられるのです。
動画をうまく利用することで、平面的なメルマガに動きを作ることが出来ます。
事例5)Instagramへ誘導する
定期的に商品を購入してもらうためには、ショップのファンを増やすことが重要です。
商品のビジュアルが重視されるアパレルや日用品を扱うショップでは、ファン作りのためのプラットフォームとしてInstagramを利用しているところも多くあります。
アメリカのアパレルブランド「BEN SHERMAN」は、メルマガから直接ウェブサイトに誘導するのではなく、Instagramへ誘導するコンテンツ設計になっています。
メルマガを見た読者がウェブサイトに訪問しても、そのタイミングで欲しい商品が無ければ当然ながら購入してもらえません。
しかし、メルマガからInstagramに訪問した読者がInstagram上のアカウントをフォローしてくれれば、その読者のタイムラインに自社の商品を登場させることが可能となります。
読者のタイムラインに自社の商品が流れる最大のメリットは、読者の普段の行動の中に自然と(さらに無料で)広告を流すことが出来るようになることです。
メールとSNSをうまく組み合わせることで、アプローチの幅を格段に広げられます。
事例6)とにかく商品を魅せる
アメリカのアパレルブランド「AMERICAN GIANT」は、スタンダードなデザインのパーカーながらも素材と細部へのこだわりで有名なブランドです。
そのブランドの精神がメルマガにも表れています。
このメルマガでも、パーカーの各部位をアップで撮影した写真だけで構成されており、デザインや縫製に自信があることが見て取れます。
また、メルマガの背景を白地とすることで、商品の色味を正確に伝えるだけではなく、素材感までが伝わるように工夫されています。
実際に商品を手に取ることが出来ないECサイトにおいては、商品の購入に一定の障壁が存在します。
AMERICAN GIANTのメルマガは、デザイン・色味・素材感というアパレル商品の通信販売でハードルとなる部分を、メルマガの見せ方を工夫することで取り除くことに成功している良い事例です。
まとめ:メルマガの表現方法は優れたHTMLメールに学ぶ
いまやメルマガはHTML形式で送るのが一般的です。近年のHTMLメールは、ただ本文内に写真を入れるだけではなく、様々な工夫の仕方があることがお分かりいただけたかと思います。
特に最後に紹介したAMERICAN GIANTのメルマガ事例は、一見すると、他社のHTMLメールと変わりはありませんが、よくよく見ると非常に考えられた作りになっています。
画像はテキストよりも6,000倍以上の情報量があると言われています。そして、それを上回る情報量、表現力を持つのが「動画」です。SNSや各種プラットフォームで動画コンテンツが流行していることもあり、上記の事例でも紹介した、動画を使ったメルマガも今後さらに流行していくのではないかと考えられます。
今回紹介した事例が皆様に何かしらのアイデアにつながれば幸いです。