メールとSNSの「違い」とマーケティングで成果を生み出すポイント
あなたは普段、友人たちと何を通じてコミュニケーションを取り合っていますか?
多くの方がLINEやTwitter、FacebookなどSNSを思い浮かべるのではないでしょうか。多様なコミュニケーション方法が登場したことから、SNSが主流と感じるかも知れません。
では一方で、ビジネスの現場では何を利用していますか?
近年、SNSやビジネスチャットを利用する機会も増えていますが、基本的なやり取りや重要な連絡はメールが基本という方も多く居るはずです。
実はマーケティングにおいても、多様な手法が登場する中で、販促やリード獲得といったマーケティング施策でメールは力を発揮します。
今回は、メールとSNSそれぞれの視点から強みと弱みを解説します。また相乗効果を生む使い分けのポイントについても触れていきます。
SNSが普及した現代におけるメールの価値とは?
総務省が発表した「平成29年情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」によると、平日は全世代通してメールとの接点が未だに長いことがわかります。
平日の全年代の平均利用時間を比較すると、メールを読む・書くが最も長く30.4分、次いでソーシャルメディアを見る・書くが27.0分、ブログやウェブサイトを見る・書くが21.3分
上述の調査によれば10代、20代はソーシャルメディアの平均利用時間のほうが長いものの、30代以降の年齢層の主流はメールです。労働者の割合として考えれば、メールは今もなお主要なマーケティング手法と言えます。
「SNSが浸透した現代において、メールは古いコミュニケーション方法だ」と簡単に決めつけてしまうのではなく、メールという接点も活用しつつ様々なコミュニケーションチャネルを持つべきなのです。
メールとSNSはどのように使い分けられる?
メールとSNSどちらも電子デバイスによるコミュニケーションという点では同じですが、具体的にどのような違いがあるのでしょうか。
マーケティング施策の観点から、それぞれの強みと弱点を解説します。
メールの強みと弱点
メールの強み
メールの強みは、「個別のメールアドレス」に対して「情報量の多いコンテンツ」を届けられることです。
個別に配信できることにより、配信したメールが何件開かれたのか、そのメール内容にどんな反応を示したのか施策の振り返りと改善に繋げやすくなります。CRMツールやSFAツールと連携させることで、所属組織や役職などのプロファイリングもできます。メールに反応した顧客ごとに1人単位で営業活動できるのも強みと言えます。
情報量の多いコンテンツとは、つまりテキストや画像、動画の他、HTMLを活用したリッチなデザインなどWebページとほぼ同等の情報量をコンテンツに集約できる点です。
メールの弱点
メールの弱点は、メールアドレスの取得が必須な点です。メールアドレスを集めたリストがなければ、いくらコンテンツを作成しても届けることはできません。そのため、最初に行うべきは、自社と相性のよいユーザーのメールアドレスの収集です。
展示会やセミナーなどで収集したり、Webサイトでホワイトペーパーや事例集のダウンロードフォーム、サービスお問い合わせフォームなどを設置することでメールアドレスを収集し、配信リストを作成します。
上記のことからわかるように、「自社のことを全く知らない人」に届けるには不向きな手法とも言えます。
メールアドレスの収集方法に関しては、以下の記事でも詳しく解説しています。
参考:
母数が無ければ始まらない!?メールマーケティングでリストを増やすために必要な施策 | メールマーケティング アカデミー(配配メール × ferret )
SNSの強みと弱点
SNSの強み
SNSの最大の強みは、「自社のことを全く知らないユーザー」に対しても、コンテンツ次第で大規模な拡散を狙えることです。SNSはメールと異なり、メールアドレスなど不要で誰でもコンテンツに触れられるオープンなプラットフォームです。
そして、多くの場合(Twitterならリツイート、Facebookならシェアのような)「シェア機能」が搭載されています。フォロワーから次のフォロワーへ、「知人」の枠を超えてコンテンツが共有されるため、たとえ無名なサービスだったとしても未知の顧客に届く可能性はゼロではありません。
また、友人同士、同僚同士のような親しい関係性でカジュアルなコミュニケーション用途に用いられていることもあるため、口コミのように情報を伝播させられます。それゆえ、自社でコンテンツを完結させず、ユーザーを巻き込むような施策も可能です。
SNSの弱点
一方で、SNSは情報の流通スピードが非常に早いという特徴があります。それは、投稿の容易さや、ユーザーの母数が多いからです。トレンドの変化も早く、一度バズ(大規模な拡散や反響)があったとしても、その影響力が短期間で収束することも珍しくありません。
また、コンテンツやタイミングが魅力的なだけであって、必ずしも商品やサービスに魅力を感じているユーザーだけではないことも踏まえておかなければなりません。SNSの種類によっては匿名のユーザーも存在するため、性別や年齢、居住地を自社で把握しきれないといったこともあるため、精緻なターゲティングが難しい場合があります。
その点、「自社との接点を持つユーザー」にコンテンツを届けるメールと大きく異なると言えるでしょう。
メール・SNSを使い分けるには「コミュニケーションの距離」を理解すること
メールとSNSで明確に異なるのは、コミュニケーションの距離です。メールは、配信リストを作成する時点で、概ねどういったユーザーに向けて配信するのかを把握できます。
そのため、ユーザーの行動を起点にトリガーメールを送信したり、個別の内容を配信するOne to Oneメールなど、ユーザーと近い距離で「購買につなげやすい」施策を打ちやすいのが特徴です。
一方で、SNSはオープンでカジュアルな環境ゆえに母数は多くともユーザー像も曖昧になりやすいです。メールと比べ、商材とユーザーの距離が遠いため、マーケティング・プロセスにおける認知獲得や関心の醸成といった施策に向いているのです。
まとめ:コミュニケーションの目的別に使い分けをしよう
スマートフォンの登場と、それに最適化した各種サービスの普及によって、個人のプライベート上でのコミュニケーションはSNSによって代替されている面は確かにあります。しかし、ビジネスにおける主流はメールです。
この記事で紹介してきたように、利用者数の多さや営業活動への親和性という点からもメールマーケティングは有効な打ち手であると言えるでしょう。
メールとSNSどちらが優れているか、劣っているかという安直な判断をせず、ユーザーとのコミュニケーションの距離感を理解して目的に合わせた選択が重要です。