ユーザーに最適化したメールを配信するセグメント配信とは
メールマーケティングで成果を出すには、前提として配信リスト数(配信できる母数)を増やすことが重要です。
しかし、配信リスト数が増加してもメールマーケティングの成果に伸び悩んでいませんか?実は、配信リスト数の量と成果は必ずしも比例するわけではありません。
答えは単純です。届いたメールに興味が持てなければ、いくら有効なメールアドレスに配信をしていてもユーザーの行動を引き出せません。
では、そういった状況の中でメールマーケティングの成果を出すにはどうしたら良いのでしょうか。打ち手の1つとして「セグメント配信」という手法があります。
今回、セグメント配信を実施するにあたって押さえておきたい基礎知識を解説します。
セグメント配信とは?
セグメント配信は、「セグメント(分類や分割)」という言葉からもわかるように、リストを分類しターゲットユーザーを絞り込んだ状態でメールを配信する手法です。ユーザーの属性ごとにメールを出し分けられるため、ユーザーの関心に寄せたコンテンツを配信できます。
その分類方法は目的に応じて多様です。詳しくは後述しますが、ユーザーの属性や行動などを基準に分類でき、「新規・既存」のような大まかなセグメントから、「メールの開封率の高さ・低さ」など特定の条件ごとにセグメントできます。
一斉配信とセグメント配信の違い
一斉配信とセグメント配信では、そもそもユーザーに届くメールの性質が異なります。一斉配信の場合、「最新リリース情報」や「セール情報」、「自社が注力したい商材のプッシュ」など、配信リスト内のユーザーに広く届けることを目的とした内容になりやすいでしょう。
一方で、セグメント配信では、ユーザーの属性ごとに関心が高いコンテンツを狙って配信できるのが特徴のメールです。「リピーター限定のメール」「ホットリード向けの資料ダウンロード付きメール」など、ユーザーの関心に合わせたメールを配信するのに向いています。
それゆえ、セグメント配信メールは、BtoCであれば初回購入者数やリピート率の向上を狙ったり、BtoBではリードの育成などなんらかの目的を持って配信することが大切です。
ただし、一斉配信とくらべてリストの分類とコンテンツの作り分けなどが発生するため、配信するまでの工数が増えます。詳細な条件で分類するほどメール作成に手間が掛かるため、定期配信には一斉配信を行い、自社の目的に併せてセグメント配信をするなど使い分けをすると良いでしょう。
どのような条件でセグメントを分けるべき?
セグメント配信を始める際、具体的にどういった条件でセグメントを分ければ良いのでしょうか。先述の通り、目的に応じて多様な分類方法があります。自社が保有する配信リストのユーザーの性質や商材、メールマーケティングで達成したい目的によって詳細は異なりますが、下記を参考にセグメントしてみましょう。
既存顧客と新規顧客
自社のメールを購読しているユーザーの属性やメールへの反応などがあまり見えていない、メールマーケティングを始めたばかりの段階では大きな枠組みで分類してみましょう。
例えば、自社の商材の購買経験を基準にします。新規顧客と既存顧客でリストを分類し、メールを作り分けてみてください。
新規顧客向けのメールでは、導入することで得られるメリットや、潜在的なニーズに向けて課題解決できるお役立ちコンテンツなどを配信します。既存顧客向けのメールでは、リピート購入時の割引や、商品の活用ノウハウなどを配信すると良いでしょう。
反応率の高いユーザーと低いユーザー
メルマガやニュースレターなど、一斉配信を定期的に実施しているのであれば、メールの反応率を基準に分類することもできます。メールの開封、本文内のリンクのクリック、コンバージョンなど、メールマーケティングの目的に応じた反応を基準に効果測定を行います。
そして、反応しやすいユーザーとメールに対してほぼ反応を示さないユーザーに分類し、メールを出し分けます。反応しやすいユーザーにはその反応を元に相性の良い情報を配信し、反応が無いユーザーには目に止まりやすいキャッチーな内容のメールを配信すると良いでしょう。
例えば、新商品の情報やプレスリリースなどの一斉配信をしていた企業であれば、それに加えて関連する「メール購読者限定のお役立ち情報」のようなノウハウ系のコンテンツを加えることで、「商材」や「自社の取り組み」への反応率が低いユーザーの関心を集めることができます。
また、反応を示さないユーザーのリストでメール内容のA/Bテストを実施することで、ユーザーが何を求めているのか、彼らの潜在的なニーズなども見えてくるため、メールコンテンツの改善にも繋がります。今まで配信していたメールで効果を出せなかった原因の分析としても、ぜひ試してみてください。
商材へのニーズ別に分類
同一の商材であれ、男性と女性、独身向けと家族向けなど異なるニーズを生み出す商材もあるでしょう。そういったニーズを基準に、ユーザーの属性にあわせてリストを分類し、メールを配信するのも有効です。
独身と家族が交じるリストに向けて「ファミリーにおすすめ」というメールを配信しても、反応しないユーザーが存在して当然です。どういった層にニーズがあるのか、該当するユーザーは配信リストに存在するのかを調査した上で分類し、メールを出し分けることが大切です。
また、BtoB系の商材の場合、現場のメンバーが購読しているのか、部門のリーダーやマネジメント層が購読しているのか、経営者層が多いリストなのかによって分類するのも有効です。特に、BtoB領域では、商材の選定者と意思決定者、決済者が異なるためBtoCとは異なるユーザー属性の分類が必要です。
特定のアクションを起こしているかどうかで分解
詳細な分類が必要になりますが、特定のアクションを起こしているかどうかでセグメントするのも効果を見込めるでしょう。
例えば、過去に資料ダウンロード付きメールに反応したユーザーとそうでないユーザーに分類したり、過去にお問い合わせを1回以上したユーザーと情報収集目的の閲覧だけで反応を示しにくいユーザーに分類するといった分類方法があります。
自社が過去に配信したメールに対してユーザーが起こしたアクションを元に配信することで、大まかなセグメントと比べてよりユーザーの関心に寄せた配信が可能になります。
参考:セグメント配信と一斉配信の使い分けのコツをおさえて、メール効果倍増! | メルラボ
まとめ:まずは大きな分類から始めよう
この記事では、セグメント配信の特徴から分類例まで紹介してきました。分類方法は上述の通り、大まかな条件で分類するものから、ユーザーの特定のアクションに応じた詳細な分類まで様々です。
もし、これからセグメント配信を実施しようと考えているのであれば、いきなり精緻な分類をするのではなく、大まかな条件をもとにセグメント配信をしてみましょう。そして、配信と平行して効果測定を行い、より具体的な条件に分類してみましょう。
一斉配信と比べ、メールの作成に工数は掛かりますが、メールマーケティングの効果をさらに高めるため、ぜひ実践してみてはいかがでしょうか。