送りすぎは禁物!メールマーケ担当者が意識すべき配信本数
メールマーケティングを実践する担当者は、見込みのお客様を探しだすため、日々、試行錯誤してさまざまなメルマガ配信を行っています。
そんな中、少しでもメルマガを開封してもらいたい、URLをクリックしてもらいたい、商品を買ってもらいたい……といった想いが先行し、読者が求める以上に過剰な頻度で送ってしまってはいないでしょうか?
メルマガ配信は送れば送るほど、顧客接点としては増えるので、その後のアクションに繋がる機会は増えます。しかしながら、あまりにも高頻度の一方的な配信は、読者に嫌われてしまったり、無視されてしまったりする原因になります。
メルマガ配信にも伝えたいメッセージによって、最適な頻度というものがあります。本記事では、そんな最適な配信頻度の考え方について紹介していきます。
メールマガジン購読の実態
ある調査によると、メルマガ読者の50%以上の人が読まなくなった、読みたくないメルマガを手動で「ゴミ箱」フォルダに移動しているとの調査結果もあります。その理由の内訳をみると、1位は「配信頻度が多い」、2位は「内容が面白くない」、3位は「自分が欲しい情報が送られてこない」となっています。
ここから見ると、多くのメルマガ読者は、配信頻度の多さにウンザリしているパターンが多いようです。
読者にとって必要以上の過剰な頻度で送りつけてしまっている企業が多いという事になりますね。また、「内容が面白くない」や「自分が欲しい情報が送られてこない」といった、本当に欲している情報が貰えないといった読者の悩みの声も聞こえます。
このように、読者にとって必要のない情報を、高頻度で配信し続けている場合、最悪企業や商品のブランドイメージを損なう結果にもつながりかねません。また、登録解除してくれればまだ良いのですが、送られてくるメルマガを一切見ずに「ゴミ箱」フォルダへ移動させてしまう本来オプトアウトされるべき読者が、配信リストに残り続けてしまいます。
こうなると厄介で、開封率やクリック率などのメルマガを改善するために必要な指標を見誤ってしまう可能性も出てくるでしょう。そうなると、正しいメールマーケティングができない「負のスパイラル」に陥ってしまいます。
そんな事態に陥らないために、読者に必要な情報を最適な配信頻度で送り届ける努力が必要です。では、最適な配信頻度について、これから見ていきましょう。
最適な配信頻度とはどのくらい?
企業が配信するメルマガは、おおよそ以下のパターンの頻度で配信されているようです。
- 毎日配信
- 週1回配信
- 月1回配信
- 月2回配信
- 不定期配信
このようにパターンは複数ありますが、実は、どのパターンで配信するのが良いのかについて明確な正解はありません。ちょっと興味がある程度のライトな読者の場合では、毎週でも多く感じてしまいますし、逆に常に最新情報を欲しているコアな読者は、毎日配信でも問題なく受け入れられる人もいます。
このように、単純に配信頻度が少なくすれば良いというものでもありません。つまり、配信頻度は「読者に嫌われないために決めるものではない」という事です。あくまでも狙うのは配信によって得られる「効果」です。それが、配信頻度を考える上でも重要なポイントとなります。
つまりは、配信頻度を考えるにあたり、
- ターゲットとする読者がどういった層なのか?
- ターゲット読者はどのような情報を欲しているのか?
- (配信者が)配信後に得られる効果はなんなのか?
を意識する必要があります。その上で最適な配信頻度を探る事が大事です。
次の章では、視点を変えて、「配信頻度が少ないメルマガ」と「配信頻度が多いメルマガ」の2つの側面から、それぞれのメリット・デメリット、適したメルマガの内容を紹介していきます。
配信頻度が少ないメルマガで得られる効果とは?
まずは、月1~2回などの比較的配信頻度が少ない場合を見ていきましょう。
配信頻度が少ないメルマガのメリット
配信数を少なくすることでの最大のメリットは、本当に伝えたい情報のみの質の高い配信ができるという点です。配信頻度が多いと、その分、企画や作成に割ける時間も少なくなり、ついにはネタが枯渇し、どうしても似たような内容を何度も配信することに陥りがちです。
その点、配信頻度が少ないとメルマガの内容に困ることが少なく、読者にとって喜ばれる内容の濃いメルマガを作りやすくなります。
そして、読者がしっかりと読んでくれるメルマガは1通あたりの価値が高まります。内容も興味を引くだけでなく、読者にとって有益なものであればさらなる効果も期待できますし、なによりも他社との差別化にもつながり、最終的にはブランディングの効果にもつながります。
<配信頻度が少ないメルマガのメリットまとめ>
- 内容の濃いメルマガを作りやすい
- 1通あたりの価値が高まる
- 他社との差別化ができブランディングに繋がる
配信頻度が少ないメルマガのデメリット
配信間隔が空くことで、そもそもメルマガ登録をしていたことを読者に忘れられてしまう可能性がでてきます。また、他の多くのメルマガに埋もれ、読まれなくなることもあります。
配信頻度が少ないという事は、その分、顧客との接触機会も少ないため、その後のWEBサイトへの誘導や商品の購入といったアクションに繋がる機会が中長期で見ると少なくなります。
このように、読者の反応を得られやすい濃いメルマガを配信しやすくなる半面、接触機会の減少によるメルマガそのものの存在の忘れや、中長期でみるとアクションに繋がる機会が少ないといったリスクもあります。質と量はどうしてもトレード関係にありますね。
<配信頻度が少ないメルマガのデメリットまとめ>
- 読者に忘れられるリスクがある
- 母数が少ないため、その後のアクションに繋がる機会が少ない
配信頻度が少ないメルマガはどういった内容が適している?
メルマガの内容を濃く保てる点と、あまり多くなりすぎない頻度から、『高単価商材やtoB商材の販促目的のメルマガ』に適しています。高単価商材やtoB商材は、商品の価値説明が難しいゆえに、ブランドイメージが非常に重要です。
メルマガで配信頻度を高めてしまうと、配信内容も次第に薄れていき、読者に飽きられ開封率が悪くなり、その価値も下がってしまいます。最悪、ブランドイメージに傷をつけるリスクも考えられるでしょう。
そのため、高単価商材やtoB商材の販促目的の場合は、自社サービスに興味を持っており検討度が比較的高めの方に向けて、新しい商品のラインナップや製品のバージョンアップ、セールのタイミングに合わせ、伝えたい内容や見え方を工夫しつつ、更新されていることが分かるような配信をするとよいでしょう。
<少ない配信頻度に適したメルマガまとめ>
- 高単価商材の販促メルマガ
- toB商材の販促メルマガ
配信頻度が高いメルマガで得られる効果
続いて、毎日~週数回といった比較的配信頻度が多い場合を見ていきましょう。
配信頻度が高いメルマガのメリット
配信頻度を多くすることでの最大のメリットは、読者との接点を多く持てるという点です。月1回の配信だと、1回しかその後のアクションに繋がるコンバージョンのチャンスはありませんが、週1回の配信なら毎週その可能性があります。配信数が増えればそれだけ、その後のアクションに繋がる機会が増えていきます。
また、頻度高く興味を引く情報を発信し続けられる事ができれば、読者にとっての情報収集ツールとして機能できる可能性もでてきます。毎回、有益な情報を読者に伝えられればそれに越したことはありませんが、有益な情報を常に発信する事は至難の業です。それでも興味を引くレベルであれば、情報収集をおこなっているユーザーにとって、情報の集まりやすいメルマガとして利用される可能性も高まります。
そして、情報やメッセージを発信する頻度が増えれば増えるほど、結果として読者からの問い合わせなどのアクションが増えます。情報収集ツールとしての価値はもちろんですが、しっかり対応することで読者との信頼を築きやすくなります。
<配信頻度が高いメルマガでのメリットまとめ>
- 読者との接点を多く持てる
- 情報収集ツールとしての価値が高まる
- 読者との信頼関係が生まれる
配信頻度が高いメルマガのデメリット
イベントや新商品を毎日のように更新している企業はそう多くはありません。どうしても配信頻度が高まると掲載されるコンテンツの内容が薄くなってしまいがちです。
あまり変化の無い情報を繰り返し配信し続ける事によって読者を失望させ、ゴミ箱行きや登録解除の原因にもなります。
配信頻度をあげればあげるほど、マイナスイメージに繋がる可能性が高く、月1回よりも週1回、週1回よりも毎日配信のほうが解除率は高いという結果が出ています。
<配信頻度が高いメルマガのデメリットまとめ>
- コンテンツが薄くなりがち
- 解除率が高くなる
配信頻度が高いメルマガはどういった内容が適している?
読者との接点を多く持てる点で、購買サイクルの速い『toC商材の販促目的のメルマガ』に適しています。特にセールやキャンペーンの情報は、読者にとって有益な情報となります。タイムリーかつ頻度高く配信する事で、多くの読者を引きつける事ができます。
また、読者との信頼関係を築きやすいといった点で、まだ検討度が低い読者に向けた『高単価商材やtoB商材の顧客育成目的のメルマガ』にも適しています。
営業色を強く出すのではなく、信頼度を高めるためのコミュニケーションをとるといった意識でコンテンツを作るのが良いでしょう。読者にとって、商品・サービスを検討する際に参考となる周辺知識や業界動向など、自社の商品・サービスから一歩引いた目線での情報発信を行うとよいでしょう。
また、展示会やセミナーなどのリアルイベント後の挨拶メールからはじめ、1~2日の間隔で周辺情報や、お客様の声(お悩み・成功体験)などの情報を発信するなど、スケジュールを立てて、配信していく方法も有益です。これはステップメールと呼ばれるもので、メール配信システムやマーケティングオートメーションツールであれば、こういった段階的なメール配信を行うこともできます。
<高い配信頻度に適したメルマガまとめ>
- EC系などtoC商材の販促メルマガ(セールやキャンペーン通知など)
- 高単価商材の顧客育成メルマガ
- toB商材の顧客育成メルマガ
まとめ:ターゲット・目的に合わせた頻度でメール配信を
このように、配信頻度はターゲットとなる読者と、読者が欲する情報、配信した結果どんな効果を得たいかによって、変わってきます。
そもそもすべての人に喜んでもらえるメルマガの配信はできませんので、ターゲット読者をしっかりとセグメントし、目的に合わせた内容と頻度でコミュニケーションを取っていく事が大切です。
顧客育成が目的なら、関係が途切れないように比較的に多めに配信し、販促が目的なら狙いを定めて配信、といった具合に、送る内容と宛先によって配信頻度を調整していきましょう。