メールマーケティングの効果を高めるにはLPが必要である理由
「メールマーケティングアカデミー」では、これまでメールマーケティングの種類や効果測定、必要なスキルセットやツールなど様々な観点からノウハウを公開してきました。
既に読んでいたただいた方には、「メール配信」と一口に言っても、そこには多様なアプローチがあることがわかっていただけたかもしれません。
そこで今回、そういったメール配信によって集めたユーザーをどのようにコンバージョン(以下、CV)に導くのか、「ランディングページ(以下、LP)」という切り口からお伝えします。
メールは「集客」を最大化する手法
メール配信はメルマガやステップメール、トリガーメールなど複数の方法があります。これらの手法は、あくまで、配信リスト内のユーザーに向けて「メールを開いてもらう」「メールコンテンツを読んで自社製品に興味を持ってもらう」「既存ユーザーに、さらに満足してもらう」ことが目的であることが殆どです。
つまり、メールだけでユーザーに行動させられるのは「開く」「読む」「知る(理解する)」までであり、その先の購買や資料請求といったCVに導くためには、その先の行動を促すための施策が必要になります。
もちろん、HTMLメールを活用して資料ダウンロードボタンを設置する場合もありますが、あくまで「無料配布の資料」「登録不要のテンプレート集」など簡易的なものに過ぎません。
有形商材のECサイトでCVを促すには、商品ページやカートページへの遷移が必要になるほか、無形商材であっても、詳細な情報が記載されたページが別途必要になります。
つまり、メールマーケティング施策の目的を購買やダウンロードなど「CV」として設定しているのであれば、LPが必要であり、成果を上げるためにはLPの改善も併せて行うべきでしょう。
LPの改善なくしてメールマーケティングの成功無し
ユーザーの「いま買いたい」気持ちを作るLP
上記で説明してきたように、メールマーケティングで購買やダウンロードなどのCVへと誘導するためにはLPが必要不可欠です。とはいえ、配信しているメールコンテンツに、購買用のページを貼れば済むというわけではありません。
LPにはメールコンテンツを開き、読み進めた結果、ブランドや商材自体に興味や関心を持ったユーザーが集まります。
そういったユーザーは、
「さらに詳しく知りたい」
「少しだけ懸念点がある……」
「興味はあるけれど、自分に合った製品なのか?」
など、メールを読んでから購買に至るまでに何らかの気持ちの動きが発生します。
それは、商材の種類やコンテンツの訴求方法により異なりますが、「疑問」や「課題」を抱えていたり、メールだけに収まりきらなかった「詳細情報」を探していたりすることもあるでしょう。
(誤クリックにより遷移した人を除きます)
メールコンテンツと全然異なるLPを貼っていませんか?
メール本文内に、製品サイト上にある購買ページ(ダウンロードページ)と同様のリンクを貼っていませんか?メール用にWebページを制作するのも手間がかかるため、汎用的なLPを設置している方もいるのではないでしょうか。
それが、「CV数を下げる」原因になっているかもしれません。
この項目の冒頭でもお伝えしたとおり、ユーザーは、メールだけでは掴みきれなかった情報を探しにLPへ遷移します。そのため、メール内容から著しく乖離したLPへ遷移すると、その時点でユーザーの関心が反れてしまう(場合によっては、関心を無くす)原因になります。
だからこそ、メールの内容に沿ったコンテンツ、そして、自社の製品やブランドのトーン&マナーや世界観に合ったLPを設置することが大切です。
ランディングページ改善(LPO)のポイント
では、具体的にLPをどのように改善すれば良いのでしょうか。ここでは、ランディングページ改善の代表的な手法を解説します。
既にランディングページがある方はリニューアルの参考にしてみてください。また、ランディングページをこれから制作する方は、最初に押さえておくべきポイントとして読み進めてみましょう。
ユーザーの心の動きに合わせた見出し構成にする
まず1番目に押さえておくべきLPの改善ポイントは「ユーザーの心の動きに合わせた見出し構成」にすることです。
もちろん、あらゆるユーザーの心の動きを読むことはできません。しかし、自社のユーザーの特性や、購買傾向などから推定することはできるでしょう。
例えば、次のような順でLPの見出しを作成していきます。
こんな課題(悩み)はありませんか?
- その原因は◎◎や△△だった!
- 解決策として注目されているのが「★★」という方法
- その根拠には、こんな統計データがあります!
- それらを踏まえて誕生したのが「○○(自社製品)」
- 「○○(自社製品)」の特徴やメリット
- 利用者の口コミ(BtoBなら導入事例など)
- 購入キャンペーン実施中(LP限定のキャンペーンなどでもOK)
- 購入はこちら(ダウンロードやお問い合わせでもOK)
あくまで上記は一例にすぎません。商材の種類や価格、想定しているターゲットユーザーの傾向に合わせて制作してみましょう。
「買いたい」をすぐ行動に移せるCTA
ユーザーの心の動きに合わせて読み進められるLPのコンテンツが制作できても、CVに導くための動線がなければLPで成果を上げることはできません。そこで、LP内にCTAを設置しましょう。
CTAは、Call to Actionの略称で、ユーザーの行動を喚起するためのものです。カートや入力フォームなど購買行動へ移すためのリンクやバナー、ボタンなどを設置することです。
CTAの基本的な設置場所は、LPのファーストビュー(ページを開いた直後に目にする部分)や、最下段です。購買を即決しているユーザーであれば、ファーストビューでCVすることもありますが、殆どの場合はLPを読み進めた結果としてCVします。そのため、最初と最後にCTAを設置するのは必須と言えます。
しかし、情報が豊富に盛り込まれたLPの場合、上記2箇所のCTAでは足りない場合もあります。商品の詳細を知った段階で購買を決めているユーザーもいれば、利用者の口コミを知って初めて購買を決意するユーザーもいるためです。
そのため、見出しごとにCTAを設置してみるのも手段です。
しかし、細かく見出し分けされている場合、「CTAだらけ」になり、視覚的なノイズとしてデメリットにもなりえるので注意が必要です。「ユーザーの疑問」「商品詳細」「口コミ」大きく見出しを分類した上でその区切りにCTAを設置してみましょう。
目立たせようと過剰なデザインにしない
LPは「CVに導くためのページ」です。その効果を最大限に高めようとするがために、大げさな装飾を施したLPにしてしまっては元も子もありません。
例えば、画像や装飾テキストを施したメインビジュアル、あからさまに誇張した口コミ、派手なカラーのボタンリンクなど……。CVを促したい気持ちはわかりますが、それでは押し売りに過ぎず、ユーザーが不快になるだけです。
LPだからといって過剰なデザインは控え、あくまでメールコンテンツから遷移して違和感のないデザインや、製品サイトで用いる配色やデザインを意識するように心がけましょう。
まとめ:メールを読んだユーザーの背中を押すランディングページ
メール配信がお客様を集めるための方法とした場合、LPは集まったお客様の背中を押すための方法です。どちらか一方が欠けても効果は期待できません。
メール配信によって集客施策を行い、LPの設置や改善によってCV率を高めるというように、メールマーケティングは両方の施策が組み合わさり、効果を生み出すのです。
テクニカルな配信方法だけに固執せず、自社にとってメールマーケティング施策は何を目的として実施しているのか、そして、その目的を達成するために何をしなければ良いのかを考えて取り組んでみましょう。