メールマーケティングの効果を最大化するには配信システムが必須?!
メールマーケティングを始めるにあたり、専用のメール配信システムを導入する理由やメリットを教えてくださいという相談を受けることがあります。
確かに、メールソフトやショッピングカートに付属の配信機能を使うことで、一斉配信はできます。しかし、なぜ無料で利用できるものを使わず、別のシステムを導入しなければいけないのか。
もし、私が理由を知らなければ、部下に対しても同じことを言ってしまうかもしれません。そもそも、メールを一斉配信するのには、以下のような方法があります。
- 普段使っているメールソフトの機能を利用する
- パソコンに専用のソフトをインストールして利用する
- ショッピングカートシステムやCRMに付属の配信機能を利用する
- 専用のメール配信システムを利用する
これだけの種類があるのに、なぜメール配信システムを導入しなければいけないのか。その理由をメリットとともに解説いたします。
メールソフトの機能を利用する
ひと昔前まで一般的だったのが、メールソフトのBCC機能を用いての一斉配信でした。
BCCは「ブラインド・カーボン・コピー」と言って、ここに指定されたメールアドレスは他の受信者に知られることはありません。
そのため、この機能を利用して一斉配信を行うことが広く使われ始めました。
しかし、人は必ずミスをするもの。
BCCに入れるべきメールアドレスを間違えてToやCCに入れてしまい個人情報を漏洩させてしまうという事件が頻発しました。
メールアドレスだけなら個人情報ではないのでは?という声が聞こえてきそうですが、メールアドレスに個人を特定できる情報が入っている場合、メールアドレスは個人情報となります。
例えば、メールアドレスが [名前]@[会社名のドメイン] などの場合。
個人情報の流出による損害賠償の責任を負う可能性があるだけでありません。漏洩した方々に対する謝罪にかかる労力、会社としての信頼の失墜など、ミスによるダメージは計り知れないものがあります。
一般的な企業であれば、まずこの選択肢を選ぶことはないでしょう。
パソコンに専用のソフトをインストールして利用する
「インストール型」と呼ばれるこのタイプのメール配信システムは、普段使用しているパソコンにCDを使って専用のソフトをインストール(もしくはウェブからダウンロード)することで一斉配信が出来るようになります。
すべての宛先に対しToで送信するため、メールソフトのBCC機能のような危険性はありません。
ソフト自体は1万円ほどの買い切り型なので、一度購入してしまえばそれ以降の費用は掛からず、安価で始められるのが一番のメリットです。
ただし、このタイプは「メールサーバ」としての機能は付いていません。
メールを送るためにはメールサーバというものが必要なのですが、このタイプでは、メールサーバには自社が普段ビジネスのやり取りに使用しているメールサーバを使用することが前提となっています。
これの何がまずいのか。それは、自社のメールサーバはレンタルサーバを契約して利用するというのが一般的なのですが、ほとんどのレンタルサーバにおいては、メールの一斉送信は禁止されているか、もしくは制限がかかっているという点です。
購入したソフトが使えなかったなんて悲劇を避けるためにも、インストール型を導入する際には、事前に自社が利用しているレンタルサーバの管理会社へ一斉配信の可否や制限を訪ねることが必要です。
また、もう1つ。メールの一斉配信でありがちな「メールの遅延」や「迷惑メールとしての誤判定」と言ったトラブルに、通常のビジネスメールが巻き込まれてしまう危険性があります。
数10通程度の配信であれば、このようなツールを使っても大丈夫だと思いますが、100通を超えるような配信を行うのであれば、こちらも選択肢に入ることはないでしょう。
ショッピングカートシステムやCRMに付属の配信機能を利用する
お客様からの相談で一番多いのが、すでに利用しているシステムにメールの配信機能がついているケースからの乗り換えメリットです。
ショッピングカートシステムやCRMから直接メールを配信する場合、宛先間違いが起こることはほぼありません。
また、メールサーバもそのシステムが使用しているメールサーバを使用しますので、自社が普段ビジネスのやり取りに使用しているメールサーバに影響を与えることもありません。
ミスやリスクを無くすという意味では、この機能で十分と言えます。
ただし、これらシステムにおいてのメール配信機能は“おまけ”としての意味合いが強く、メール配信に特化したシステムと比較すると不足感は否めません。
特に当社のお客様の中でこれらシステムからの乗り換え理由として多いのは、「1回あたりの配信通数が制御されており、全件配信までに時間がかかり過ぎる」や「テキストメールしか配信が出来ず効果測定も出来ない」と言ったような理由です。
配信性能や機能を引き上げるためには追加で費用が必要となり、結局は専用のメール配信システムを導入したほうが安かったなんていうケースもありました。
専用のメール配信システムを利用する
専用のメール配信システムを導入することの大きなメリットは、2つあります。
メールが適切に相手に届く
まず1つ目は、配信したメールが相手に届くということです。
当たり前のように思えますが、個別のメール送信と異なり、一斉配信のメールでは相手に届かせるためには技術的に多くのハードルが存在します。
当然ながら、専用のメール配信システムは、大量のメール配信が行われる前提でメールサーバが設計されています。しかし、それ以外のシステムの場合はメールも配信することはできるのですが、届くかどうかは分からないということが多々あります。
若干専門的な話になってしまいますが、たとえば配配メールの場合は、大量のメール配信のリクエストを受け付けた場合、複数のプロセスに分散して配信するような仕組みをとっています。
一方で、このような仕組みをとっていないシステムの場合は、メールサーバが大量のリクエストを受け付けた場合、受け付けた順番に処理していくことしかできません。
そのため、お昼に配信したメールが真夜中になってやっと届き、お客様からクレームを受けてしまうなんてことも考えられるのです。
また、配信に遅れが出るもう1つの原因としては、相手先(受信側)のメールサーバによるデータの受け入れ量の調整・制限などもあります。
配配メールでは、相手先のメールサーバでデータの受け入れ量の調整がされていることを検知すると、宛先ごとにデータが流れる量を調整するなど、最適な対応をすることで相手側のメールサーバが詰まらないようにコントロールし、着実に相手に届くようにしています。
このようなコントロールをしていないシステムでは、相手先のメールサーバ側が受け入れの制限を行った場合は、配信をあきらめるというアクションをとるものもあります。
弊社(株式会社ラクス)が提供する「配配メール」を含め、専用のメール配信システムが、このような細かい調整を行うのは、トラブルの防止・解消という理由ともう1つ、「迷惑メールとしての判定を防ぐ」という大きな目的もあります。
どういったメールが迷惑メールとして判定されるのかという細かな基準は、当然ながら公表はされていません。(公開したら悪意のある業者に攻略されてしまいますしね)
そのため、メール配信システムを提供している我々は、メールの受け取り側のサーバに配慮した細かな調整を日々行うことで、メールサーバとしての信頼を積み重ねており、その他のシステムと比べて格段に到達率が高いという特徴があります。
メールの効果を最大化するための機能が揃っている
専用のメール配信システムを導入するメリットの2つ目は、メールの効果を最大化するための機能が揃っていることです。
メールマーケティングの考え方においては、メールの配信を点ではなく線でとらえることが基本です。
どんなメールが相手に刺さり、より反応を高めるためにはどうしたらよいのかということを考え、改善活動を行っていくためには、客観的なデータが必要です。
そのため、メール配信システムには、「開封率」や「クリック率」と言ったメールの反応を測定するための機能がついており、そのデータを知ることでメルマガの改善のヒントを得ることが出来ます。
また、効果を最大化するためには、メール本文の訴求力を高める必要があります。
そのためには、文字だけで表現しなければいけないテキストメールよりも、画像や色が利用できるHTMLメールを送るべきです。
配配メールでは、HTMLメールが送れるのはもちろん、ドラッグ&ドロップでHTMLメールを作成することができる補助ツール(HTMLエディタ)も用意していますので、専門知識を学ぶ必要も、外部の業者に依頼をする必要もありません。
まとめ
メールを一斉配信する各手段のメリットとデメリットを下記にまとめてみました。
主なメリット | 主なデメリット | |
メールソフト | 追加のコストが不要 | 操作ミスによる個人情報の 漏えいリスクがある |
インストール型 | イニシャルコストだけで 安価に始めることができる | 普段利用しているメールサーバーから配信 するため、ビジネスメールにまで影響が出る |
付属型 | 新たにシステムを導入する必要がない | 大量・高速配信や効果測定はできない |
専用システム | メール配信により効果を出すための 性能・機能が備わっている | ランニングコストが必要 |
メール配信システムは各社から出ていますが、おおよそ1アドレスにつき月間1円前後で導入が出来ます。
メルマガは継続的に配信を行っていくことで、安定した効果が見込める費用対効果の高い施策ですので、それだけに担当者の方が苦労することなく続けることの出来る使いやすいシステムを選ぶことが重要です。