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届いていると思ったら大間違い?「メールマーケティング」の基礎

メールマーケティングは、コンテンツ作成やリスト管理、配信設定など“メールを送る前の業務”に手間が掛かりますよね。


続けているけど、しんどいな……」と感じている担当者もいるのではないでしょうか?


しかし、メールマーケティングの基礎をしっかり押さえることで、業務を効率化できるだけでなく、売上アップやリード獲得など効果を上げることができるのです。


そこで今回は、すでに運用している担当者でも、売上アップなど効果向上を目指す上で改めて学んでおくべきメールマーケティングの基礎知識について解説します。



メールを送ればユーザーに全部届くと思ってませんか?

例えば、メールマガジン(以下、メルマガ)を作ったとき、自社が保有しているリストに一斉送信しているだけになっていませんか?

実はそのメルマガは全ユーザーに届いていないかもしれません。なぜなら、リスト件数とメール到達件数はイコールではないからです。


メールの到達率はどんな施策でも重要です。
到達率を重視すべき理由や、その対策については次回の記事で詳しくお伝えしますが、リストへの一斉送信を繰り返すほど、受信側のサーバーにスパムとみなされることもあり、到達率が下がってしまう恐れもあります。

メールからホームページへの遷移が少ない、顧客の「カゴ落ち(ショッピングカートに商品を入れたものの購入しないこと)」が多いなど、状況に応じて適切な施策を打ち出す必要があります。そのためにまずは、メールマーケティングで効果を出すための基礎をしっかりと身につけておくことが大切です。

では具体的にどんなことを知っておく必要があるのでしょうか?


メールマーケティングと聞くと、ニュースレター形式のメルマガを配信している担当者も多くいるはず。実は、メルマガはメールマーケティングの手法の1つに過ぎません。


メールマーケティングには他にも、ステップメールやセグメントメールのように複数の手法があります。ここから、メールマーケティングで最低限押さえておきたい基礎知識についてご紹介します。



担当者なら覚えておきたい「メールマーケティングの基礎」

メール配信の目的とターゲットを設定する

メールマーケティングは、新規顧客の認知拡大からリピーター促進まで様々な目的に対して柔軟な施策を実施できるという特徴があります。配信リストのユーザー属性を把握し、配信を始める前に目的を設定することが大切です。

例えばユーザーは次のように分類できます。


  • メールマガジンに登録しているが、商材への関心が浅いユーザー
  • 商材の認知はしているが、購買経験が無いユーザー
  • 購買経験があるが、リピートはまだ無いユーザー
  • 複数回リピートしており、自社に対しての愛着を持ったユーザー

自社の配信リストの傾向を知ることで足りないものが見え、「自社のホームページやブログへ集客する」「商材の認知を高める」「リピーターを増やす」といった“メールマーケティングを何の目的で行うか”を設定できます。

メルマガリストのユーザーをセグメントする

リストの傾向をさらに細分化し、ユーザーの性別や年齢層、地域や業種などを絞り込みます。ターゲットが明確になることで、より具体的な施策へと落とし込むことができるのです。



メールマーケティングの手法を決める

メールの配信方法は、リストへの一括送信以外にも様々な手法があります。上記で設定した目的とターゲットに合わせて最適なメールの配信方法を考えてみましょう。

例えば、メールマーケティングには下記のような手法があります。



・メールマガジン(メルマガ)

企業のニュースレターやコラム、新着コンテンツなど特定のテーマを持った情報を定期的に配信する手法です。


・トリガーメール

「予めCVに設定したページからユーザーがCVせずに離脱をした」などユーザーの何らかの行動をきっかけにシナリオに基づいたメールを配信し始める手法です。

・セグメントメール(ターゲティングメール)

ユーザーの属性ごとにリストを管理し、そのユーザーが感心の高いメールを配信する手法です。One to Oneメールという、1人ひとりのユーザーに合わせたメールを送ることもあります。

・リターゲティングメール

商材の購入直後や、カートから離脱後、ランディングページを閲覧した数日後など、コンバージョン(以下、CV)に至らなかったユーザーに対して配信する手法です。

上記手法のシーンに合わせた使い分けについては、今後ご紹介していく予定です。


参考:一斉配信では終わらない!メールマーケティングという視点からコミュニケーションを設計する


テキスト/HTMLでコンテンツを作り分ける重要性

テキストメールとHTMLメールの違いはご存知でしょうか?

テキストメールはその名の通り、文字(テキスト)情報だけのメールです。
一方で、HTMLメールはホームページを作成する時に使うHTMLという言語で書かれたメールです。フォントの装飾や写真、バナーなどを掲載できるため、表現のバリエーションが豊富という特徴があります。

どちらの形式も一長一短ありますので、可能な限り両方の形式で配信できる環境を整えることが大切です。

例えば、ビジュアルの訴求力では、装飾できるHTMLメールが有利です。しかし、テキストメールと比べてデータ容量が大きくなりやすいです。そのため、受信データ容量が決まっているキャリアメールに送信したい場合、そもそもメールが届かなくなる場合があります。


「HTMLメールが届かない場合は同一内容のテキストメールを送信する」というマルチパート配信という機能をもったツールもありますので、活用してみてください。


また、メールの開封率などは、計測の仕組みを組み込めないテキストメールでは取得できません。もし、テキストメールしか利用していないという企業であれば、施策を改善するためにHTMLメールが送信できる環境を整えておきましょう。

メールの“効果測定”って何を指標にすればいいの?

メールマーケティングで集客や売上アップなどの効果向上を目指すのであれば効果測定は必須です。

配信したメールがどれくらいのユーザーに読まれているのか、そのメールから購買等のCVが発生したかを可視化できるためです。

効果測定は、下記の4点を指標に用います。自社のメール配信環境で測定は可能か、今一度確認してみましょう。


・到達率

配信したメールが届いているかどうかを表す指標です。
効果測定機能を搭載したメール配信ツールで測定できます。

・開封率

届いたメールが開封されたかどうかを表す指標です。
テキストメールでは取得することができないため、HTMLメールを用いて開封率を測定します。


・クリック率

メールに記載した URLがクリックされたかどうかの指標です。
メール配信ツールの機能、もしくはGoogle アナリティクスのようなアクセス解析ツール用の計測パラメーターを付与して測定します。

・コンバージョン率

商材の購入直後や、カートから離脱後、ランディングページを閲覧した数日後など、コンバージョン(以下、CV)に至らなかったユーザーに対して配信する手法です。

メールマガジンの効果指標

参考:HTMLメールの基礎知識とメールの効果を最大化するメールマーケティングの4つの重要指標|ferret

実施する際に確認しておきたいチェックポイント

あらためて、メールを送る前に下記をチェックしてみましょう。

  • メールマーケティングを行う目的は明確か
  • 目的にあったターゲットが設定されているか
  • リストの管理は出来ているか
  • テキスト/HTMLそれぞれのメールを配信できるか
  • 効果測定できる環境は整っているか


まとめ:自社の目的に合わせて効果的なメールマーケティングを

メールマーケティングは、上記で紹介した基礎を踏まえて配信することで、「作るのが面倒なメルマガ」から「効果をあげられるメルマガ」に昇華させることができます。

また、一斉配信だけでなく、ステップメールのような顧客の行動に応じてメールを配信できる手法もあるため、柔軟な施策を実施できるのがメールマーケティングの強みといえるでしょう。

まずは、「メールマーケティングで何を達成したいのか」目的を定め、それに適した配信環境を整えることから始めてみましょう。

5月公開の記事では、メールが到達することの重要性と効果測定について、もっと掘り下げて解説します。

臼杵 優

臼杵 優

ferret エディター/ライター ビジネスやテクノロジーなど様々なWebメディアでの編集・執筆を経験。また、メディアでの執筆だけでなく、メーカーでのコンテンツ支援を担当した経験からマーケティングの重要性を感じ、ferretにて執筆開始。
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