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読者との距離がグッと縮まる「One to Oneメール」の作り方

メルマガなどの一斉配信メールは、少ない労力で多くの人にとどけられるという利便性の反面、定型文を使用しているが故に、どうしても無機質な文面になりがちです。

そのため、メルマガ作成者は文面にアスキーアートを使用して表現力を高めたり、編集後記内にちょっとしたプライベートなことを記載したりすることで、親しみやすさを演出し、読者の興味関心を惹こうと工夫をされている方も多いはずです。これは、送り手側と読者との距離を縮めるための素晴らしいアイデアです。

一方、送り手側と読者との距離感の問題を解決するためのもう1つの手段が「One to Oneメール(ワントゥーワンメール)」です。

One to Oneメールとは、読者1人ひとりの属性や状況、ニーズなどに合わせた内容のメールをタイミングよく配信する手法を指します。その目的は、メールの内容を「自分事」として受け取ってもらうことで、興味度合いを高めて行動してもらうことにあります。当然ながら、一斉配信メールよりも個別に作成したメールの方が効果は高くなります。

つまり、One to Oneメールとは、少しの手間で多くの人に届けられるという一斉配信メールの利便性を保ちながらも、個別メールと同じ効果を求めるための手法になります。

そして、それらの多くを自動化してくれるのが、現在流行しているマーケティングオートメーション(MA)ツールです。ただ、このMAツールは一般的に設計・操作が複雑で、かつそれなりのコストがかかるため、おいそれと導入できないのが実情です。

そこで今回は、皆様が普段利用しているメール配信システムに付属する「差し込み機能」を使うことで、簡易的なOne to Oneメールを実現し、読者との距離を縮める方法をご紹介いたします。

差し込み機能使っていますか?

皆さんは、そもそも"差し込み機能"と聞いて何のことだかわかりますでしょうか。

差し込み配信とは、顧客データベースに登録されている「お名前」や「住所」などといった情報をメール文中に差し込んで配信することができるという、メール配信システムの代表的な機能です。

最も使い方としてポピュラーなのは、本文中での宛名表記です。


差し込み機能を使った宛名表記例(提供:株式会社ラクス)


個別にメールでやり取りをする時と同様に、文頭で誰に宛ててのメールなのかを明確にすることで、「あ、自分宛てだ」と再認識してもらい、その後に続く本文を読み進ませる効果があります。

こんな使い方は残念過ぎる……

先述したように、差し込み機能は無機質な一斉配信メールを「自分事」にしてもらうための機能です。せっかくの良い機能なのに、誤った使い方が散見されるのは残念な限りです。

残念な差し込み機能の使い方の代表例としては、以下のようなものがあります。

指し込み機能の残念な例

  • 差し込み部分と本文との間にスペースを設けている(例:安藤␣様へのお知らせです)
  • 差し込み部分に対応するデータが無い際に、システム文言が表示される(例:“NAME”様へのお知らせです)
  • 名前をフルネームで差し込んでいる(例:安藤健作様へのお知らせです)


個別にメールを作成した場合は、上記のような書き方はしないはずです。差し込み機能は、無機質な定型文らしさを払しょくするための機能なのに、上記のようにいかにも「システムを使いました」というメールを読者が見て、送り手側に親近感が湧くことはないでしょう。

顧客データベースでの項目の保持のされ方や、利用しているメール配信システムの仕様にある程度制限されてしまうことは仕方ないですが、少しの手間で解消できることであれば、目的達成を優先するための工夫をしましょう。


差し込み機能はどう使うべきか

メールマーケティングの基本でも記載したように、メールマーケティングで目的を達成させるには、以下の4つのステップを意識する必要があります。

メールマーケティングにおける4つの重要なポイント

  1.  相手のメールボックスに確実に届ける(KPI:到達率)
  2.  メールを開いて読んでもらう(KPI:開封率)
  3.  メールの中身に興味を持ってもらう(KPI:クリック率)
  4.  最終的な行動を起こしてもらう(KPI:コンバージョン率)

参考:プロがイチから教える!今からでも遅くはない、メールマーケティングって何?|ferret


先ほど出てきた差し込み機能で最も使われている本文内での宛名表記は「3.」のクリック率の部分では数値に影響しますが、メールマーケティングの目的から逆算した場合、そもそもメールを開いてもらわなければ意味がありません。

メルマガの効果が広く認知された今では、多くの企業がメルマガを発行しており、結果として1人あたり数十本のメルマガに登録していることも珍しくありません。

実際に当社(株式会社ラクス)の調査によると、およそ半数の人が10種類以上のメルマガを受信しているようです。


引用元:メールマガジンに関する意識調査2014|メルラボ / Mail Marketing Lab


その中で目を引き、メールを開いてもらうためには、“件名”にも差し込み機能を使ってみましょう。

件名へ差し込む内容例としては、以下のようなものがあります。


件名への差し込み例

  • 名前を差し込む :(例:【安藤様】新商品が入荷しました!)
  • 興味のあるカテゴリを差し込む:(例:★☆ドローンの予約受付開始しました☆★)
  • 会員ランクを差し込む:(例:【ゴールド会員様専用】タイムセールは15時~)
  • 保持ポイントを差し込む:(例:[お知らせ] 2017年4月末で565Ptが失効します)

 ※赤字部分が差し込み箇所

自分に関連すること、興味があることがメールの中身に書かれているということを読者に認識してもらうために、まずは件名を工夫して開封率を高めるのがポイントです!

開封率を計測してみよう

件名に差し込み機能を使って配信したら、開封率に変化があったかどうか計測しましょう。before/afterを比較して改善効果があったかどうか確認をし、より開封率が高くなるように工夫を重ねましょう。

さて、メールを開いてもらうというファーストステップをクリアした後の課題は、メールの中身自体に興味を持ってもらうことです。もちろん、ここでも差し込み機能が活躍します。



提供:株式会社ラクス


差し込み機能を上手に使えば、上記のようなメールを作ることも可能です。いかがでしょうか。定型文っぽさは大分薄まっていると思いませんか?

ちなみに、上記のメールでは差し込む項目として6つの項目を使用しています。


提供:株式会社ラクス


差し込み項目

  1.  お客様名
  2.  担当者名
  3.  保有ポイント
  4.  前回購入商品
  5.  前回購入商品と関連する商品
  6.  関連商品の説明文


差し込み配信を行うためには、差し込む対象がデータベースに登録されている必要がありますが、6つくらいの項目であれば準備できるのではないでしょうか。


まとめ

少ない労力で多くの顧客にアプローチができるのはメルマガの最大のメリットではありますが、労力の節約にばかり目が行ってしまって、注目されないメルマガになってしまっては本末転倒です。

そんな中、差し込み機能を使えば、ちょっとした工夫でメルマガの注目度をグッと上げることが可能になります。

今回挙げた例以外にも様々な使い方があります。ぜひ効果測定しながら工夫をこらして実践してみてください。

株式会社ラクス

株式会社ラクス

株式会社ラクスでは、メールマーケティングの入門機とも言えるメール配信システム『配配メール』を提供しています。 その運用で培ったノウハウをもとに、メールマーケティングの始め方から応用まで、メールマーケティングをもっと学びたい担当者様をご支援しています。
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